リゼロにみる「人生無理ゲー」からの人生大逆転の思考法

Re:ゼロから始める異世界生活」通称リゼロは、異世界召喚系のアニメとして高い人気を誇っているファンタジーアニメです。元々は小説投稿サイトに投稿された作品が原作でアニメ化されたそうですが、私自身はアニメしか観たことがありません。

リゼロの主人公 ナツキ・スバル異世界に渡る際に得た「死に戻り」の力を駆使して、運命を変えようとするのがリゼロの基本的な流れです。

ナツキ・スバルについては賛否両論あるようですが、私は異世界でスバルの歩む道のりと自分の人生を重ねることで、共感できる部分が多かったと感じています。

その中でも「あのワンシーン」で感じたこと。そして、リゼロにみる「人生無理ゲー」からの人生大逆転をするための"きっかけ"について考えました。

f:id:marron-glace:20181127113733p:plain 【引用】長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

ナツキ・スバルと私たちは似ている

スバルは、とにかく想いが強い。ヒロインのエミリアやメイド姉妹のレムとラム、出会った仲間や子供たち、とにかくみんなを守りたいという想いがとても強いと思います。

でも、スバルはもともとは引きこもりで、異世界的な能力もなければ、戦闘能力も低いし、メンタルも決して強くはありません。みんなを守りたいという想いは強くても、いつも完膚なきまでにやられてしまいます。というか、何度も死んでしまいます。腹を切り裂かれたり、手足を切り落とされたり、もう悲惨なくらい負け続けます。

それでも、どこかに突破口があると信じて、打ちのめされても、心が折れても、何度も何度も挑戦する。この姿は、私たちの人生に似ていると思いませんか。人生はこういったことの繰り返しです。

特に、大切な人(恋人や妻、子供)がいる方なら、大切なものを守りたいという気持ちに共感できるはずです。今は大切な人がいなくても、大切な人を守りたい、幸せにしたいという気持ちは誰もが抱いたことのある感情だと思います。

人生をやり直せるなら…

スバルが現実世界での自分について語り出すワンシーンがあります。

「俺がここに来るまで、こうしてお前たちに会うような事態になるまで、何をしてきたかわかるか。何もしてこなかった。何ひとつ俺はやってこなかった。あれだけ時間があって、あれだけ自由があって、何だって出来たはずなのに、何にもやってこなかった。その結果がこれだ。その結果が今の俺だ。俺の無力も無能も全部が全部、俺の腐りきった性根が理由だ。何もしてこなかったくせに何かを成し遂げたいだなんて思いあがるにも限度があるだろうよ。怠けてきたツケが、俺の盛大な人生の浪費癖が俺やお前を殺すんだ。」

私も同じようなことを考えたことがあります。スバルのように、誰かに打ち明けるようなことは出来ませんでしたが「何だって出来たはずなのに、何にもやってこなかった。」そんな時間に後悔し、なんであの時、あの時間をただ浪費してしまったのだろうかと思い返すことがありました。悩み苦しめられ、罪悪感を感じ、劣等感を感じ、理想と異なる現実やあまりの淋しさに追いつめられる。私だけに限らず、同じような思いにさいなまれた、もしくは現在進行形でさいなまれている人はたくさんいると思います。

続けて、スバルはこう言います。

「そうさ、性根は何も、この場所で生きてくんだって、そう思ったって、何も変わっちゃいなかった。」

この物語でスバルは、一度たりとも元の世界に戻ろうとしません。異世界召喚されたことを認識したときに彼の脳裏にはこんなことが横切ったのかもしれません。"もう一度人生をやり直せる"。この場所で、もう一度やり直そうと考えたのだと思います。

スバルの真意は分かりませんが、私にも、もしあの時、異世界召喚されたら「もう戻らなくてもいい」と考えたであろう時期がありました。というよりも、リゼロを観ているときにも、新しい人生って、どんな感じなんだろうという思いを抱いている瞬間がありました。

現実世界では、人生はやり直すことはできません。だから、私は、常にアンテナをはって、この世の中にある"異世界への入り口"、つまり、人生を変化させる"きっかけ"を探し続けてました。諦めなければ「きっかけ=異世界への入り口」はやってくるものです。

異世界への入り口」はそこにある

スバルは言います。

「俺は、俺は弱くてちっぽけで、逃げて、前の時も同じで逃げて、それでもどうして。」

過去を振り返り、逃げ続けてきた自分に後悔し、諦めかけたスバルにレムは、こう語り掛けます。

「空っぽで、何もなくて、そんな自分が許せないなら、今、ここから始めましょう。レムの止まっていた時間をスバルくんが動かしてくれたみたいに、スバルくんが止まっていると思っていた時間を、今、動かすんです。」

「ここから始めましょう。一から、いいえ、ゼロから!」

f:id:marron-glace:20181127113734p:plain 【引用】長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

今現在、劇中のスバルのように、悩みまくって、迷走して、苦しみ、何度も絶望して、叩きのめされて、心が折れかけてしまっている。そんな状況の人もいるかもしれません。でも、これからカッコいいところを見せてやりましょう!

現実世界で、絶望を感じるときって、どんなときでしょうか。私自身は、自分の無力さを感じたときでした。例えば、大切な人を守りたい、守れる自分でありたいと思っても、その力を持っていない。そんな自分に憤りを感じて、心の中で叫んでいるときがあったりしました。私にとって、現在進行形で大切な人(恋人や妻、子供)がいるかどうかは関係ありませんでした。大切な人がいるときは、どうしたらこの人を守っていける力を得られるかを考え、いないときは、守りたいと思える人が現れたとき、守れる自分でありたいと考えていました。だから、私は、エミリアを助けようとするスバルに共感できたのではないかと思います。

この物語の始まり、異世界に召喚される直前のスバルは深夜のコンビニで物色しながら、こんなことを言っています。「まぁ、一日部屋に閉じこもってゲームやってりゃ目も疲れるわな」。現実世界におけるスバルの状況は、ニート、無職、ワーキングプアのフリーター、いずれかに該当するのではないかと思います。

私自身もワーキングプアに近しい生活をしていたこともあります。私は、そこから抜け出すためにいろんなアクションを起こしてきました。近年、日本でもワーキングプアと呼ばれるギリギリの生活レベルで、人生を楽しむゆとりもないような生活を強いられている人が増えています。今の世の中、本人の怠慢でなくても、環境やタイミングの問題で、どうにもならない状況におちいってしまっている人は多いと思います。「人生無理ゲー」なんて、つぶやかれる世の中ですから、やる気があっても何をしていいのか分からないという状況は、いたるところで慢性的に起きているに違いありません。

そんな世の中でも、一歩踏み出せば、バットエンドの繰り返しだった毎日が、ハッピーエンドになる日がやってきます。

f:id:marron-glace:20181127113735p:plain 【引用】長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

確かにスバルには「死に戻り」の能力があるから、何度もやり直しができたから、思い描いたハッピーエンドを迎えられたのかもしれません。でも、挫けながら、絶望しながらも、諦めない心がなければ、何度死に戻ろうとも望んだ未来はやってこなかったのではないかと思います。

異世界召喚は現実離れしていますが、人生を変化させる"きっかけ"なんて、この世の中にはたくさんあります。

「君を見てる。君が見てる。だから、うつむかない。ここから、ゼロから始めよう。アナタの物語を。」

先日の投稿に攻略不可能とも思えた「人生無理ゲー」をクリアするという記事があります。続けて読んでいただければ幸いです。諦めなければ「きっかけ=異世界への入り口」はやってくるものです。

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